4月11日、中学校の同窓会への出席もあったので
4月9日~12日の昼過ぎまで奈良県で過ごした。
12日の小雨の中、
22歳から23・5歳まで交際していた
同県内の女性M子さんのご実家へ、フト
予定外に足が向かっていた。
ご実家は凝った甍の門構えのある邸で、
M子さんは〇〇デザイナーとして、23歳から、東京へ住んだり、イギリスへ行ったりの人だった。
24歳からは男女関係ではなく、東京では親しい友として、電話や、
タマに喫茶店で話す間柄だった。
M子さんが結婚してから4年後の、32年前から、互いに連絡が途絶えていたが、
今もどこかで健やかに暮らしていることと思い、
消息だけは知っておきたい、、と思ったのだった。
玄関から出て来られたのは、67歳くらいの女性だった。
「M子さんの昔の友人で、東京に住んでいます平田と申す者ですが、、」と挨拶すると
「私はM子の姉です」
「あなたの名前はM子から聞いていますヨ」と微笑まれた。
そして
「M子は11年前に、東京で癌に掛かり、
子供がなかったこともあり、ダンナさんと共に
この家で療養していましたが、10年前に亡くなりました」と言われた。
M子さんは歩くのがとても颯爽として速く、
元気の良い人だったので、
私はガク然として、
その場に立ちすくんだものだった。
あの4月12日から一ヶ月近くが経ったというのに、
M子さんとの様々な記憶が、懐かしく、愛おしく、
追慕される。