元双葉町長井戸川克隆氏と弁護士の宇都宮健児氏の対談「未来を語る」に参加した。
「風がどちらに吹いているか」… 福島第一原発が危ないと聞いたとき、井戸川克隆町長は風を読んだ。
「町民を被曝させてはならない」その一念で県外への避難を決めた。
そして今年東京電力と関わりの多い、双葉町議会から罷免され、退任した。
井戸川氏は、避難先の
埼玉県騎西高校からの活動・通勤で、改めて、被災者の決意を感じた。
国、政府、東電が未だに持って、事実を隠蔽し、ふくいち(福島第1原発)周辺住民を放射能の生贄に捧げ続けてきたか、それは、井戸川さんのように抵抗する住民を一人一人、まっさつする事態ともなっている。
この対話の中のポイントを提示しておきます。
Ο宇都宮健児氏が週間金曜日に書かれた記事を取り上げて、福島県の健康調査で数人の甲状腺がんが発見されたことは大変アことだと述べると、井戸川氏は自分の周辺居は、甲状腺に限らず、肺など、癌患者が多発している。そのような数字ではないと反論。
Ο質問で、大学3年生が、来年卒業なので福島県庁に勤めたいがどのような心構えか必要かと聞いたのに対して、福島県庁は若者の採用前に県庁の汚染を取り除くべき。
井戸川町長としては県庁への就職に反対すると話した。
Ο宇都宮氏、井戸川氏とも、憲法、法律は、本来は国民を守るためのもの、井戸川氏は憲法には人権という言葉が、どれだけ多く語られていることか、今、福島県民は殆んど人権を失っていると。
井戸川氏は、町長時代を含めて今まで政府、官僚、ジャーナリストに対して住民の窮状、あるべき救護策を訴え続けてきた。
Οあの議会の罷免決議のようなトピック的なものを別にすれば、その1つでも回答したり、公表したりしたことがあるだろうか。
Ο先ず必要なことは、水戸黄門の印籠(住民の声)が欲しい。そして、住民は連帯して国、政府、東電に事実を突きつけて欲しいということ。
Ο国、政府、東電、ジャーナリスト、専門家をも含めて、何も事実、対策が分っているわけではない。
今後の処理は、被害に遭い、事実を良く知っている住民に相談し、任して欲しい
と言っていた。
井戸川克隆氏は原発事故で180度、人生観も変わったであろう。
本当の「豊かさ」とは何か?
それは私たち日本人全体への
問いかけでもある。
井戸川氏も、これからは、一握りの利権屋と
それに加担する多くの勢力と、マスコミに洗脳される市民を相手の戦いとなった。
まるで巨像に向かう蟷螂の斧のようだが、たたかいの継続でしかない。
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