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時代、平安末期~鎌倉初期 生産国 備前(岡山) 銘 真恒 中国の六朝風の伝統の楷書で 一画一画のタガネの気合通って 抜群の書品 刃長 二尺九寸七分(89センチ) 反り3・9センチ 切っ先 猪の首風に詰まる。 樋先、小鎬まで詰まって、ナカゴまで掻き流す。 地鉄 小板目肌詰み、地膚状の移り、乱れ状に立つ 刃紋 互の目がかった直刃小乱れに 小沸(こにえ)づいて冴え、刃中、自然美に満ちた「足」と「葉」が、しきりに働き、絶景の妙趣。帽子(切っ先の刃)直状に入り、小丸状にわずかに返り 品格抜群。 (刃紋の描き写しは、今は亡き、春霞刀剣会の主幹で砥師の 犬塚徳太郎師) 犬塚師のように手に取って観たことはないが、 国立博物館の「日本刀 鉄と鋼の芸術」の展示場でガラス越しに長時間拝観、鑑賞。 流石に、国宝の中でもトップクラスの太刀。 けだし、備前国住人 真恒刀匠の傑出作。 錆びやすい鉄が製作から800年余の幾星霜を経て、こん日でも健体で、保存状態抜群。 流石に「天下の名刀」だと頭が下がる。 (犬塚師は諸名刀中、健全さ、出来口、研磨の巧みさから、日本随一だと言っていた) ナカゴの反りが、古い時代に熱を加えて、伏せられているのは、 桃山期以前のある時代に、名のあった覇者が、この真恒太刀を 今風の「拵え」に納めて「佩刀」とした時代があったことを示している。 所有・ 静岡県 久能山東照宮 家康は晩年、駿府城に居て、元和2年(1616)75歳で死去。 遺命により、従来山上に在った久能城を廃止し、2代将軍秀忠の命により、家康を神として祀る「東照社」として元和3年に造営され「真恒太刀」は秀忠による奉献と伝わっている。 こういう太刀の製作は当時の貴族か武将の大権力者の特別注文で、最上の砂鉄(山などにあった原材料)の使用で大鍛冶(良鉄の探索とタタラ製鉄技術者)と小鍛冶(刀鍛冶・刀匠)との最上技術の成果、結実である。 鎌倉初期は砂鉄を溶かす「炉」の中の温度を上げる技術がないために、何日間も莫大な量の炭を使用しつつの砂鉄の溶解で、炉底に溜まって出来た最上級のケラ鉄で、 そのケラから取り出した最高級の部分だけを「玉鋼」にしての太刀製作で、 想像を絶するほどの時間と手間の掛かったものである。 こういう最上品質の玉鋼は温度に敏感で、刃の焼入温度も低くてすみ、そのために、荒い沸えやムラ沸きえは付かず、地部にも淡い焼入れ状の地膚移りが幽玄に立ち働いている。 さらに全身に微細な沸、匂いの粒子が、霜が降り注いだように輝き「生気」の充満した景観となる。 さらに地の沸、匂いの粒子が、光源の採り方によっては、蜘蛛の足のように、あるいは心天草のように、チリチリと地を這った、生きた地景(ちけい)となって生気が躍動している。 そのために悠然たる刀姿や正整な肉置きとともに、三尺の秋水、まさに、どこからどこまで美の塊となっている。 いかなる、名仏師による流麗なる名仏像ですら、銅という素材であれば 「生気の躍動した鉄芸術」の前には素材に於いて及ばないものである。 もとより日本刀は美のための美でも、芸術の探求でもない。 あくまでも用途上の諸条件探求の果ての「用の美」であるが、日本では用の美を越えて往昔の武門の者達は、刀匠と共に、神器、霊器として崇高なる美を希求した文化があった。 しかし、鎌倉中末期の時代まで下がると、やや作為の目立つ人工性が観られ、 この太刀ほどの自然美に満ちた地刃の深厚味は、薄れていくものである。 戦後からは、日本刀を「人斬り道具」だから「美」なんてとんでもない!と感ずる人々も多い。 武器であった関係上、その気持ちは理解できるが、それは戦時中に「討ちてし止まん」の軍国教育の支柱に利用されたり、戦後にGHQが軍国の象徴として、日本刀潰滅策条例を全土に発令した思考に、捉われた姿であろう。 日本の美術家にはその事だけで、日本刀を異端視し、除外して、「日本の美術」を論じる人々も少なくない。 そこには現代、刀剣斯界の人々にも至らぬ点もあるが。 日本の美術を語る上で、決して日本刀を除外してはなるまい。 仏像、焼き物、絵画、調度品など、貴族や武人は、そこに尽きせぬ美を求めたが、武家文化の基幹であった刀剣の形態や流行が、いずれの時代にも反映していて、すべての「美」の文化が、残存品からも、横つながりであったことを証明している。 むしろ、こん日では欧米人の中に「鉄のアート」「サムライアート」としての認識が広まっているようだが。
by hiratomisinzo
| 2008-03-11 19:01
| 刀剣
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