琵琶湖と、
琵琶湖の面積と同じ、広葉樹を混じえた自然林があります。
同じように太陽が照り付ける日、
どちらが、空に昇る水分の蒸発量が多いでしょうか。
琵琶湖よりも自然の森のほうが約千倍以上の蒸発量と言われています。
琵琶湖の表面積は琵琶湖の面積だけですが、森は腸の内側の絢毛のように、
葉っぱが重層的に重なっているので、表面積が多岐にわたり、水分の蒸発量が多いわけです。
蒸発量が多いと森の樹は枯れてしまうようですが、
樹も葉っぱも、水のカタマリで、森の樹を抱いて耳をくっ付けると、ジュージューと水の流れる音が聞こえます。
森の樹の下はフワフワの腐葉土で濡れており、水分の蒸発量以上の水が大量に蓄積されているからです。
だから森が
自然のダムと謂われる由縁です。
さらに森は、CO2を吸入して酸素を放出するだけでなく、
空気を浄化してくれます。
森からは湧き水が出て、渓流となり、湧き水が集まって川となり、
川の水には動植物の屍骸による滋養が含まれていて、田畑の栄養素となり、
大河の下流域の平野で、農耕作が発展しおりました。
江戸末期の本に僧侶や漁師が
「上流の森を壊せば、海の魚が不漁になる」と書いちょ~る。
永い経験から、森と農業・漁業が繋がっていることを塾知していたのでした。
それを忘却してしまったのが人間中心主義の現代文明と言えましょうか。
この世界は
草主人従が原則なのですが。
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