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35年前、沖縄返還の「密約」をめぐる報道で国家公務員法違反に問われて、毎日新聞社を廃業に追い込まれた(当時40歳)元新聞記者の西山太吉さんが(75歳)が、九州からわざわざ出て来て、 米国の公文書などによって密約の存在が裏付けられたとして、 国に対し謝罪と慰謝料等を求めている裁判の判決が、東京地裁であった。 この裁判はテレビや新聞などでも取り上げられており、世間の関心も高く、傍聴席45に対し、傍聴希望者100名。 撮影が終わり、テレビカメラが法廷を出て行くと、すぐに裁判が始まった。 裁判長が「主文のみ朗読します」と言い、判決を読みあげた。 主文「 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする」 それだけ言うと、加藤裁判長は席を立ち、ほかの2名の裁判官とともに退廷。 判決についての説明が一切ないので、なぜそのような判決を下すに至ったのか、 傍聴人は理解できず、呆気にとられているうちに裁判は終わった。 9回も口頭弁論を行い、約2年間に渡って裁判をやってきたのに、裁判長が主文だけ読み上げて退廷、 その間、わずか5秒。 法廷を立ち去る裁判官に対し、傍聴席から「なんなんだ!? これは!!」と抗議の声。 裁判の後、西山さんと藤森弁護士の記者会見が行われた。さすがに会場に入ってきた時の西山さんの足取りは重く、目には涙が浮かんでいたという。 まず、藤森弁護士が判決文を手にしながら、今日の裁判について報告をしたあと、 次に西山(当時75歳)になり 以下の発言。 「裁判の焦点は、一連の秘密が違法の秘密であることが、2000年と2002年の米国の公文書、および吉野発言で立証されたことだ。 刑事裁判では、検察は秘密書簡はなかったと嘘をついた。 それが前提になってその秘密が続々と出てきた。 違法秘密であり、(それを報道したことは)国家公務員法違反にならない」 「一連の政府高官の密約否定発言は、真実義務違反にあたる。ここにメスを入れなければならない。 司法は行政の手先であり、行政のメンツを守るための存在であることを露呈した。 裁判を通じて違法秘密と民衆の問題、権力とメディアの関係など、問い質していきたい。 引き続きやらなければならない」 「今日の判決は、司法の権威失墜。司法は日本にはないことを証明する判決だった。 非民主主義な司法。非民主主義の行政。これを徹底的に糾弾しなければならない」 「裁判の結果に関係なく、引き続き闘っていく」 「国のためでなく、一政権のための返還。 南の楽園が戻ってくるんじゃないんです。 アメリカ屈指の軍隊が沖縄にできる。どこにでも行ける基地を沖縄に作った。 政権益のための返還であったことを、ようく考えてもらいたい。 5月に沖縄密約の本を出すので、裁判官はそれを読んで沖縄返還の実態を勉強しろ、と言いたい」 「沖縄返還は南方の楽園が日本に戻るのではない。米国にとっての海外における重要な基地ができることを意味する。 基地が主権下に入ってくることで、日米同盟が変わる。すさまじい代償がある。 一過性のものでなく、返還された後も続く。 グアム移転費を日本が負担する問題も、沖縄返還から始まった。一過性の問題だと思ったらとんでもない。30年間続いている。 だから(裁判を)やった」 「最後の防波堤がメディア。 民衆は安全保障になんの関心もない。 --------------------- 沖縄密約事件以後の30数年間の沈黙を経て、 裁判を起こし、 2010/02/27日にも 大阪市内で開かれた。 原告の元毎日新聞記者西山太吉氏(78)は講演で 「多くの密約があったが最大の密約は(日本側が支払ったとされる)6500万ドルの米軍施設改良工事費だ」と指摘。 「沖縄返還問題が日米両政府の政治交渉に利用されてきた経緯を説明した上で、同工事費について「一ドル分も返還協定書に記載されていない。 外務省の予算項目を変えて潜り込ませて、国会の審議ではフリーパスだった」と批判。 琉球大の我部政明教授(55)も講演し「日米(両政府)の共犯で米軍基地が残った。 密約がその共犯関係を押し隠している」と述べた。訴訟は東京地裁で16日に結審した。 判決は4月9日の予定。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー かっての政権の嘘を表出して ますますかって敏腕記者だった、西山太吉さんが歳老いたといえ、表に現れ出て来た のも、 「政権交代」の成果なりと考えている。
by hiratomisinzo
| 2010-03-23 16:09
| 政治
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