対手は暗殺か上意討ちなど、いずれにせよいきなり不意討ちで、それもいのちを掛けて襲ってくるのです。躱しつつ斬るか、後の先で斬るか、一拍子、(一・イチ)で動かないと、こちらが斬られてしまいます。
どのような「抜き打ち」であっても、鞘放れの瞬間は、右腕が曲がっていることが大切です。
曲がっていてこそ剣先に威力が出ます。
そこへ「体」を乗せれば、さらに威力が出るわけです。
現代の居合の先生や高段者には、刀を水平気味に差しての抜き打ちが多いようです。
が、これは柄の下側へ手を移す距離が長くなり、抜き打ち速度が遅く、また、どんなに「体」を使って抜刀しても、籠手に隙が出て籠手・腕を斬られます。
刀は古伝の通りに鍔を身体の真ん中にして差すのが抜き打ちにも都合よく、
また、45度くらいのに刀を差すのが、対手のどこの箇所への抜刀・抜き打ちの操作に最良です。
================