京都市左京区の浄土宗安楽寺が、宝物として所蔵する掛軸に、平安時代に絶世の美女だったという小野小町をモチーフに「小野小町九相図」(三幅)があります。
大変貴重で、またリアリテイリ溢れれた名作ですので、御紹介させて頂きます。
安楽寺に感謝
合掌
九相(くそう)とは 盛者必衰、死生観を分りやすく図解している絵巻で、華やいだ生活を過ごした絶世の美女も、いずれは死を迎え、人の世の儚(はかな)さや、無常観(むじょうかん)を絵解きしたいわば、絵のお経です。
1、生前相
2、新死相
3、肪脹相
4、血塗相
5、肪乱相
6、青瘀相
7、噉食相
8、骨連相
9、古墳相
この絵をグロテスクだという人もいるでしょう。
でも、生きとしるすべての動物が、大地に生かされ、他のいのちを頂いて、やがてはまた、自らも大地に帰納して来ました。
そしてそれは太古の昔から、連綿と続き、今も繰り返しています。
私は子供の頃から「生命の死」については敏感だったと思います。
中学生の頃、隣町の墓が土砂崩れをしたという情報を聞き、早速自転車で駆けつけて見に行きました。
その墓は土葬もあったので、髪の毛や骨が出てきました。
そんな光景を見て、私達人間も大地に生かされて、やがて大地に還っていくのだな、と感じました。
九相図(2)へ続く。