花園大学出版刊「
人権と差別」という本の中で、日本保健医療行動科学会の
武井秀夫という人が、友人の研究者
A氏がアマゾンへ行って、辺境地のインデオの人々と親しくなったことを書いている。
例1。
辺境地で研究者A氏は、片足を毒蛇に噛まれて、壊疽になっている5歳の少女を発見した。
A氏はこのままではエソが拡がってやがて死んでしまうと思い、セスナ機で約一時間程の町の病院へ連れて行こうとした。
すると少女の両親は「いや、放っておいてくれ」と言った。
ヒューマニズムから、この少女をどうしても救いたいと決意したA氏は、病院へ連れて行った。
手術で片足切断になった少女を集落に連れ帰ると両親は
「
なぜこの子を連れて帰ってきたか!」と怒った。
この少女の将来には、集落の一員としての食料採集など役割があって、その役割仕事を果たせないと、少女自身の「
尊厳」を保っては生きては行けない、という両親の気持ちである。
続く。