アフガンで日本人や現地人の仲間たちと井戸を掘る
中村哲医師の近刊書。
「 アフガンの大地から
世界の虚構に挑む」というセミタイトルに、中村医師の思いの深さが伺える。
アフガニスタンへ日本の自衛隊が派遣されて以来、国会の証人喚問でも厳しく反対して、政府から敵視されて怒鳴られたり、危険な目に遭いつつも、アフガンの住民を救いたいと願う、中村医師(62歳)の
渾身の現地報告だと思います。
中村氏は一時帰国したときのテレビ出演などでは、小柄な身体で飄々、淡々と語っていて、
同時出演の批判派の、「
自衛隊の派遣は、国益、国益、国益になるのですよ」
とだけしか言えない浅薄な御用学者の意見には反論もせず、
ただ黙って聞いているだけの態度だが、本心は、
怒りと嘆きと、悲しみといらだちの焔が湧出し、大慈悲の不動明王の権化ような
熾烈な闘いの傑姿です。
中村医師たちの活動に頭が下がります。
西洋史専攻だった、私の若い友人もペシャワールのワーカーとしてアフガン入りして既に2年以上が経つ。
私も以前から、
ペシャワール会会員の末席でもあります。