頭上を悠然と飛んでいる鷲を見た。
鳶(トンビ)は町はずれでもよく見かけたが、大きさが違った。
「カッコエエのう~~!」と思った。
その鳥が後からクマ鷹だと知った。
20年前、劇画で鷹匠の話を描こうとした時に「鷲・鷹類」を調べた。
東北のマタギの鷹匠がクマ鷹を使う話の本も読んだ。
それ以降、クマ鷹の大フアンになった。
でも山へ入って実際のクマ鷹を、敢えて見に行こうとは思わなかった。
もうその頃は日本の山々にクマ鷹の棲息が少なくなっていたからだった。
明治初期の100年前まで、日本の森にもオオカミが住んでいたらしく、近所の古老から「まだ奈良の山の奥にはオオカミが棲んでいるかもなぁ、、」と耳にしたことがあった。(古老は願望を言っただけなのだが)
21歳、オートバイの免許を取った時、何度か和歌山や三重県の県境の山々の
古道やケモノ道へ、ホンダのベンリイCD125CCで
「バリバリ~~!」と、一人で入って、棒を持って歩き回ったものだった。
もちろんオオカミと出会うことなどなかったが。
こんな、森の動物さん達への迷惑な、
ドアホな経験から「ワシみたいなヤツがいたせいもあって、日本からオオカミが絶滅したんだなぁ、、」
と反省した。
その後、農耕民族の日本では、江戸時代までオオカミは、田畑を荒らす野ネズミやケモノを退治する「守護神」だったことも知った。
野生のクマ鷹を見ることは、私にはもうないだろう。
憧れのクマ鷹さん。どうか繁殖して、生態系を守ってくだされ。